一匹狼くん、拾いました。
本音~緋也side。
風呂から出た僕は、部屋に戻らずに3階のテラスで夜風を浴びて、星空を眺めていた。
「……大人気ないな」
我ながら、何あんな怒ってんだと思う。
「旦那様、そんな格好でここにいたら風邪をひきますよ」
魁人がテラスに入ってきて、バスローブを着ていた僕に、紺色のコートを後ろからかけてきた。
「……汐美みたいなことをする」
「気に触ったのでしたらすみません。汐美が中々戻ってこないので、旦那様と俊平様に何かあったのかと思い、旦那様を探しておりました」
皮肉のように僕がいうと、魁人は笑いながら僕の頭を撫でた。
「……子供扱いするな」
「いいえ、させていただきます。旦那様はこの家の主でも、まだまだ16歳のれっきとした子供でございますので」
魁人は、僕のことを後ろから抱きしめた。