一匹狼くん、拾いました。
今日は魁人が、無駄に僕の世話を焼く。
「……そういうのいらない」
「……左様でございますか」
僕は身体の前にあった魁人の腕を振り払って、抱擁から逃れた。
「うん、そう。
……早く仕事に戻りなよ。
僕は独りになりたいんだ」
魁人から顔を背け、僕は星空を見上げた。
「かしこまりました。それでは、どうか私のことはお気にならさず、好きにお過ごし下さい」
魁人は僕を見て、困ったように笑いかけた。
独りになりたいって言ってるのに、魁人はいつまで経っても僕の元から居なくなろうとしなかった。
「はぁ……。魁人、ココア持ってきて」
「かしこまりました。すぐにお持ちいたします、旦那様」
僕は諦めて、魁人と2人で話をすることにした。