一匹狼くん、拾いました。
デザートを食べてココアを飲んだ僕は、
テラスの出入口のドアを開けた。
「……ミカ」
僕の目の前には、ミカがいた。
「俊平様、いかがいたしました?」
僕の背後にいた魁人が、ミカの顔をのぞき込んだ。
「……いや、風呂から出て時間潰してたんだけどさ、全然緋也が戻ってこねぇから、汐美と別行動で探してたんだ。見つかってよかったよ」
ミカは、口元を綻ばせた。
直後、頭に嫌な予感がよぎった。
「……いつからここにいた?」
そう聞いた途端、ミカはバツが悪そうな顔をして僕から目を逸らした。
「…………え、えっと、魁人と緋也がテーブルに座って話し始めた辺りから?」
「それ、ほぼ最初からだよね。はぁーこれだから君は困るんだ。盗み聞きなんて、全くしょうがないね」
僕はため息を吐いて苦笑した。