一匹狼くん、拾いました。
タイムリミット。
翌日、早朝。
ピンポーン。
緋也の家に、訪問者が訪れた。
部屋の壁の隅に接着したモニター付きインターホンを、緋也は覗き見た。
「はい」
緋也が返事をすると、
家の前にいた執事服の男は作り笑いをした。
「……すみません、こちらに三上俊平様がいらっしゃると思うのですが」
モニターに映っていたのは、
父さんの執事の露磨だった。
「……ミカの知り合い?」
声が露磨に聞き取られないよう、小さな声で緋也は聞いてきた。
「……………とっ、父さんの執事」
唇を噛み締め、震えた声で言った。
ガチャ。
そこで、魁人がノックなしで部屋のドアを開けて、中に入ってきた。
「旦那様、いかがいたしましょう?」
「魁人、出て。それで、ここにミカはいない
って伝えてくれない?」
「かしこまりました。仰せの通りに」
魁人は、緋也と俺に頭を軽く下げてから、部屋を出ていった。