一匹狼くん、拾いました。
露磨は、俺が6歳の頃から家にいた。
あの執事は、俺の何もかもを知っている。
好きな食べ物や、
飲み物。
あるいは好きな服の系統など、
はたまた身長や体重ですら、
とにかく露磨は俺の全てを知っている。
露磨は、今も昔も俺の教育係だ……。
父さんの命令に背けば、俺は父さんだけではなくて、露磨からも暴力を振るわれる。
家から逃げ出そうとしたら、露磨に
無理矢理
連れ戻される。
あいつは俺がどこにいるかなんて、
簡単にわかるんだ。
俺は、礼儀作法も運動も、何もかもをあいつに教わった。
例えるならば執事と旦那ではなく、
教師と出来の悪い生徒。
生徒の行動を、教師が見逃さないはずもない。
逃げ出すことは出来ても、いつかは必ず連れ戻される。
俺は、あいつに日々監視されているも当然だ。
あいつは、父さんからの命令で、
10歳の頃から俺の世話をしていた。