一匹狼くん、拾いました。



「俊平、こいつは真斗部(マトベ)露磨。お前の4つ上だ。兄のように思えばいい。ちゃんということを聞くんだぞ?」



父さんは、露磨のことを何故か嬉しそうな顔をして、俺に紹介した。




「……よろしく」





俺は、露磨から顔を背けて挨拶した。





「はぁー。俊平、こっちを向け」



ため息をはいて、父さんは呆れたように言い放った。




父さんの命令に従わないことだけが、俺の反抗手段だった。






「向けと言っているんだ!聞こえないのか!!」




頬を殴られ、俺は床に尻餅をついた。





「……父さんっ」





俺は、そこにいる悪魔を



ただただ凝視した。




「やっと向いたな。いい子だな、俊平」




悪魔は、俺の頭を撫でた。







「今日からよろしくお願いしますね、俊平様」





床に座り込んだ俺の目の前に歩み寄って、



露磨は妖しく微笑んだ。













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