一匹狼くん、拾いました。







4人で隣同士机をくっつけて、教卓の前にいる担任と向き合った。




「あの、あいつはいつからここに来てないんすか?」





結賀が、顔をしかめて言う。




「……確か去年の10月くらいだな」

去年の10月?


今は4月だから、てことはもう、来なくなって半年は経ってるのか。




「あんたは理由を知ってるんすか」



俺は首を傾げて言った。そんなに学校に来たくなくなるなんて、一体何があったんだ。




「……俺が知ってるのは、断片的な事実だけだ。



お前ら、立花楓って知ってるか?」




「はい、去年の7月に交通事故で亡くなった同級生のことですよね? 人当たりが良くて、色んな子に慕われていた子ですよね」



すぐさま、伊織が反応した。



言われてみれば、そんな子がいた気がする。





「ああ、……そいつな、三上の彼女だったんだ」





刹那、頭を鈍器で殴られたような衝撃が俺を襲った。


額から、タラっと汗が流れる。


嘘だろ………。




< 24 / 236 >

この作品をシェア

pagetop