一匹狼くん、拾いました。
「ふー」
死体のように自分の周りで気絶した男達を一瞥し、タバコに火をつける。
俺はタバコを吸って、口から息を吐き出した。
パチパチパチ。
「いやー、流石だね銀狼くん」
マンションの入口から一人の男が出てきて、俺に拍手をしてきた。
「……誰だお前」
「ん?僕は血流(ヂリュウ)の総長の城島緋也(キジマアカヤ)
そこで倒れてんの僕の仲間なんだよねー。
派手に殺ってくれたねぇ……」
緋也というその男は、真っ赤に燃えるような赤い髪と、熱意のこもった視線で俺を見つめていた。
血流……。
確か、鉄パイプを使ったりする奴が多いからか極悪非道で有名な族だ。
ん?
でも、さっき俺と戦ってきた奴は全員素手だったような……。
「腑に落ちないって顔してるね。
さっきのは偵察だよ偵察。君の実力を知るためのね?」
「へぇー?……そりゃ随分舐められてんな」