一匹狼くん、拾いました。
白猫は俺の頭からフードを剥ぎ取って、
不自然に凹んだ右の後頭部を、そっと撫でた。
「……作りたいなら作れば?」
撫でられた頭が、ズキズキと痛む。
「………もう次やったら何されるかわかんねぇもん。
俺、今度こそ殺される気がする。
複雑骨折だけで済まない」
そんなん嫌だよ……。
「……実の親に殺されて死ぬくらいなら、喧嘩して死んだ方がまだマシだった。
……親に殺されるくらいなら、族でも何でもいいから誰かに殺されたいと思ってた。
それなのに俺は、この前結賀に助けられて、安心した。ほっとしたんだよ!意味がわかんねぇよ!
自分の人生に、期待なんかしないで生きてきたんだよ!!
期待なんかしちゃいけないんだよっ!!
それなのに俺は……っ」
無意識のうちに、期待していた。
人権も、自由もないただの親父の操り人形なのに。
そのことを身を持って知ったくせに、
俺は……未だに誰かに助けて欲しいと思ってる。
絶対、誰にも助けて貰えないのに……。