一匹狼くん、拾いました。
「……放せ」
「断る!」
仁は俺の身体を引っ張り、無理矢理屋上の床まで引き上げた。
「はぁっ、はぁっ。……何死のうとしてんだよ!!」
バンって音がして、数秒遅れて仁に頬を叩かれたことに気がついた。
「お前、自分が何したかわかってんのか!?自分勝手にも程があるだろ!何も話さずに死ぬなんて!!」
俺の胸ぐらを掴んで、仁は叫ぶ。
「あんたには関係ねぇだろ」
「関係ある!俺達は……友達だろ?」
仁は、泣きながらそう言った。