一匹狼くん、拾いました。
「俺がいつそれを認めた?俺はこれから華龍に入る気も、あんたと友達になる気もねぇ」
俺は、仁を睨みつけた。
「未来のことなんて誰にもわからないだろうが。俺はお前を友達だと思ってるし、いつかお前もそう思ってくれるって信じてる」
うざいくらいに真っ直ぐな心だった。
俺だって、友達くらい欲しかったんだよ。
「……俺は、そう思っちゃいけないんだよ。友達なんて、作ったらいけないんだ」
無意識のうちに、弱音を吐いていた。
「友達を作っちゃいけないって、そんなわけな「あるよ。……俺には人権も何もねぇ。俺は一生あのクソ親父の奴隷で、操り人形だ」
自分で言ってて虚しくなってきた。
もう二度と白猫以外には誰にもこの過去は話さないって決めたのに、俺はお前に話してる。
ただでさえ白猫にだって、楓のことがあったから、しょうがなくだったのに。
仁……。
お前は、いとも容易く俺の心に入り込む。
……ムカつく。すげえ不快だよ。