一匹狼くん、拾いました。
寝れない夜は。
夜。
俺はまた仁の家に泊まりにきた。
「……お邪魔します」
「お前さ、俺んち住めよ。隠れ家的な感じで。居候歓迎すっぜー」
仁は家に入った途端、玄関にいる俺にそう言って、屈託もなく笑いかける。
「……そんなことしたら、仁の家に親父の執事来るぞ」
「それぐらい何とかしてやるよ!」
元気よく、仁は笑って言う。
「……っ、ありがとう」
俺はゆっくりと口元を綻ばせた。
「あー笑った。無愛想より、よっぽどその方がいいな!」
俺の顔を見て、楽しそうに仁は言う。
「……そっか」
俺は力もなく呟いた。