キミだけが知らない想い
あまりにも優斗が怒るため、私は

「優斗、これ飲んで。飲みかけだけど」と私はペットボトルを投げた。

「おーサンキュー!」と優斗は言って飲み始める。

そうすると女子たちからはキャーキャー聞こえた。

どうやら喉元がセクシーらしい。

確かにイケメンだけども!タオルも投げてやる。

それで思いきっり汗拭いて…

それだけで充分黄色い声。正直こんな現実、ほんとの恋人だったら耐えられないはず。

私は一応睨む。

「おーら、お前らいちゃつくなよな!」とあっ君は言ってくる。

「はーい」と私は言っておく。

「お?取られたってすねてんのか?」と優斗が悪のり

「ちげーぇ!休憩終わらすぞ!」とあっ君は言ってきた。

「ほーら、二人ともやめて!貴重な休憩無くなる!」と私は言った。

二人はかなり真剣にバチバチしている。

それを複雑そうに見つめる、弘夢。

練習をまた始めた。

無事、練習は終わった。

「美穂、帰るぞー」と優斗は言う。

「あーうん」と私が言って帰る準備をした。

そして、優斗と帰り始めた。弘夢が見ていたことには気づかないふりをした。

しばらくして、優斗にLINEが来た。

弘夢かららしい。

「…兄貴、美穂さんと付き合ってんの?」って。

どストレートで、めちゃくちゃシンプル。

「まあな」と返している優斗、

二人の関係が悪くなりませんように!と私は願ったが。

特に返事はなく、

「思ったより早くことが進みそうだな。俺らの予想をさらに上回る最速の可能性もあるな」と優斗は言ってきた。

嘘…やっぱり兄弟だからそんなことまでわかっちゃうわけ?

と「えー、それは困る。せっかく優斗とコイビトごっこが出来るんだから!もう少し楽しみたい!」と私は返してみた。

「なんだよ!それ!可愛いこと、言ってくれるじゃん!」と優斗は私の頭をポンポンした。

「まあ確かに。俺も貴重な体験してる気はするけどな。まあアイツがどう動くか見物だな」と楽しそうに笑う優斗。

「そうだね!」と私は笑った。

私は家まで送ってもらい、家に入った。

普通の食事、普通の会話特に変わったことはない。

数日経って、私たちもやっと恋人らしく見えるようになってきた。

完璧な演技で私たちをカップルに仕上げてくれている、あっ君と澪華ちゃん。

私たちが恋人を演じれば演じるほど、周りからの黄色い悲鳴が響くがそれは、特には気にならない。

あっ君と優斗が張り合いながら守ってくれるから。

けど1番守ってほしい人は複雑そうな顔をしてこっちを見るだけ。

あまり声をかけないようにしているのか、弘夢は声もかけてくれない。

それがすごく寂しくて私は少しへこんだ。

私はとりあえず、練習に打ち込んだ。

が、八つ当たり?なのか、私は暴れだす。

そんな私の様子を見て、

「美穂?大丈夫か?少し休むか?」と声をかけてくれるのは優斗。

「あ?大丈夫…さっき休んだばっかだし?」と私が言えば、

「そうか?まあ無理はすんなよ?大概荒れてたから」と優斗は言って練習に戻って言った。

弘夢はその光景が耐えられなかったのか、目を伏せていた。

私はそれに少し苛立ち、「弘夢?少し相手してくれない?」と言ってしまった。

「何で俺なの?兄貴に相手してもらえばいいじゃん!」拗ねるように、弘夢は言う。

「だって優斗はいつでも相手してくれるし、ワガママにも付き合ってくれるもん」と私が言えば、

私に近づいてきた、弘夢はいきなり私に抱きついてきた。

そして耳元で、「俺にそんなに見せつけて楽しいですか?俺は、楽しくないと言うより不快です」と囁いてきた。

その行動に更なる悲鳴がなるのは聞こえなかったことにした。

そこであっ君が、

「こら!ヒロ、お前なぁ、美穂が相手してくれ言ってんだから、相手してやれ。互角にやりあえるだろ?」と言ってくれて、

弘夢は離れてくれた。

「わかりました!とりあえず相手しますけど…あんまり俺のこと、怒らせないでくださいね?」と弘夢は言って、ボールをもってコートに立った。

どうやら一対一をしてくれるらしい。

私も嬉しくなってコートに立った。

「「よろしくお願いします」」と頭を下げる私たち。

「じゃぁ、俺、審判ねぇ」と優斗が言うと、

「イヤだ!兄貴、彼女だからってセンパイのことヒイキしそうだもん」と、弘夢は言う。

「はぁ?そんなわけあるかよ。彼女とかマジ関係ねぇし!!部活は手を抜いたこと無いぞ?俺…」と優斗は真面目に食いついていく。

「まあいい。俺が審判してやるからやれ」とあっ君が言ってくれて、私と弘夢のミニゲームは始まった。

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