キミだけが知らない想い
あっ君の見立て通り、私と弘夢は互角だった。先に五点とった方の勝ちだったが、両者共に譲らない、一進一退の攻防が続いた。
皆はそんな展開をハラハラドキドキしながら見守っていた。
そして、迎えたのはラスト一点の勝負になった。
どちらかが後一点とるとゲームは終わる。
私も気合を入れ直した。
私はボールを奪ったが上手くかわされて、シュートを阻止された。
私は思わず舌打ちをする。そのまま私は弘夢がシュートを放ったのを、見守る形になった。
そして、外すことなく、見事に決まってしまい、そのままゲーム終了した。
私は完敗だった。「完敗だったわ。ありがとう」と私は言って、手を差し出した。
弘夢は私の手を握り返して、「ありがとうございました」と笑ってくれた。
弘夢が手を離した瞬間、私は腰が砕けたようにその場に崩れ落ちた。
「大丈夫か?」とすぐにかけてきてくれたのは優斗。
そして私の手を引いて立ち上がらせてくれた。
勢いつきすぎて、そのまま優斗の胸にダイブ。
それを上手く受けて止めてくれるのはさすがの優斗。
私は顔を赤くして、「もぉ!力強すぎ!」と優斗の胸を叩く。「わりぃ!力入れすぎた!」と優斗は謝って私の頭を優しくポンポンした。
そんな私たちを弘夢は見ていた。
「だから!お前ら部活中にイチャつくなって!」と、またあっ君に怒られてしまった。
「「ごめんなさーい」」と私と優斗はキレイにハモる。
そして思わず、顔を見合わせる。
弘夢が悲しそうな顔をしているのを私は申し訳なく思いながらも、自分なりに、優斗と完璧な恋人を演じる。
何とか部活は終わり、帰り支度していると、「美穂、悪い。用事出来たから先帰る」と優斗は言って、早々と荷物を持って、去っていってしまった。
取り残された私は「あー、うん」としか言えず、どうしようかと悩まされた。
「ラッキー!じゃあ俺が送ってあげるね?アイツ帰ったし」とあっ君は嬉しそうに笑いながら私の肩に手を回した。
「え?澪華ちゃんと帰らなくて良いの?悪いから良いよぉ」と私が言うと、「そう言うなって!ほんとは俺と帰れて嬉しいだろう?」って耳元に囁くように言うあっ君。
そこに「ちょっと??あっ君何してるのよ?いい加減にしてよね。引っ付きすぎよ?美穂ちゃん困ってるでしょ!」と現れたのは澪華ちゃん。
助かった~と思う半面、少し残念な気もした。
だって私はあっ君の親友…いえ、大ファンですもの!
この気持ちがバレないよう心がけてきた。
あっ君は私のタイプそのものなのに…私は恋人になってほしい人は弘夢を選んだ。
それはあっ君に恋人がいるからじゃなくて、純粋に、私が弘夢を好きすぎるだけ。
そしてあっ君は…ファンクラブを持つ人気者。そんなあっ君だからこそ私は密かにファンクラブに入り、小さく応援しているのだ!
このことを知ってるのは、優斗だけ。
優斗にはホントになんでも話せて色々言っちゃう。
だからあっ君が大好きで、密かにファンクラブ入って応援しているってことも暴露してしまった。
「ほら、彼氏に置いて帰られた可愛そうな彼女を慰めてやろうと思って」とあっ君は言う。
遠目にいる弘夢をチラッと見た澪華ちゃんは
「そうね。なら私も一緒に帰るわ。3人で帰りましょ?良いでしょう?」と澪華ちゃんは笑った。
私は頷く。
「良かったぁ。じゃあカフェで甘いもの食べて帰ろーもちろん、あっ君の奢りね!」と澪華ちゃんは言って、私の手を取り歩き始めた。
それにつられるようにしてあっ君も歩き始めた。
「しゃーないなぁ。おごってやるか」とあっ君は言った。
そんな私たちの背中を見送る弘夢。
視線は感じたけど気付かないふりをした。
3人でカフェでお茶して…談笑する。
「…で、進展はありそうなの?」とストレートに聞いてくる澪華ちゃん。
「…優斗いわく、想像してたよりずっと早く決着つきそうだって」と私が言うと、
「そっか。まあ、アイツもう限界っぽいもんなぁ。練習もかなり荒れてるしな。何か言われてたでしょ?」とあっ君
「喧嘩売ってんのか?って言われました」と私が言うと、
「…あれはそろそろヤバイな。そのうち爆発してキレるだろうなぁ」とあっ君は楽しそうに言う。
「…ウソ守るのって案外大変ね。なんで周り皆気づいてるのに本人は気付かないのかしらね?バカなの?」と澪華ちゃんは言う。
「…私が好きなのは優斗だと思ってるらしくてね。両想いなんだって勘違いしてるらしいから仕方ないのかなって。ファンクラブあるくらいモテてることも気づいてないしね、気づいて欲しいよね」と私が言うと、
「ほんとだよねぇ!そう言えば、あっ君のファンクラブもあったわよね?私も気が気じゃないんだから!」と澪華ちゃんが言って、私も思わずドキッとした。
「…ファンクラブ?俺の?マジで?メッチャ嬉しいやん!あ、けど…俺は澪華がいればそれでいいよ。もしいじめられたら言えよ?ちゃんと守るから。ファンクラブの人らにもちゃんと澪華のこと認めてもらいたいな」と平然と言うあっ君に照れてる澪華ちゃん。
「…認めてるよ…。入る隙無いくらいラブラブじゃん」私は独り言のように呟いた。
澪華ちゃんは聞き逃さない。
「今の言い方って…もしかして、美穂ちゃんも入ってるの?」と、ど直球に言われた。
バレてる…
私は頷いた。
皆はそんな展開をハラハラドキドキしながら見守っていた。
そして、迎えたのはラスト一点の勝負になった。
どちらかが後一点とるとゲームは終わる。
私も気合を入れ直した。
私はボールを奪ったが上手くかわされて、シュートを阻止された。
私は思わず舌打ちをする。そのまま私は弘夢がシュートを放ったのを、見守る形になった。
そして、外すことなく、見事に決まってしまい、そのままゲーム終了した。
私は完敗だった。「完敗だったわ。ありがとう」と私は言って、手を差し出した。
弘夢は私の手を握り返して、「ありがとうございました」と笑ってくれた。
弘夢が手を離した瞬間、私は腰が砕けたようにその場に崩れ落ちた。
「大丈夫か?」とすぐにかけてきてくれたのは優斗。
そして私の手を引いて立ち上がらせてくれた。
勢いつきすぎて、そのまま優斗の胸にダイブ。
それを上手く受けて止めてくれるのはさすがの優斗。
私は顔を赤くして、「もぉ!力強すぎ!」と優斗の胸を叩く。「わりぃ!力入れすぎた!」と優斗は謝って私の頭を優しくポンポンした。
そんな私たちを弘夢は見ていた。
「だから!お前ら部活中にイチャつくなって!」と、またあっ君に怒られてしまった。
「「ごめんなさーい」」と私と優斗はキレイにハモる。
そして思わず、顔を見合わせる。
弘夢が悲しそうな顔をしているのを私は申し訳なく思いながらも、自分なりに、優斗と完璧な恋人を演じる。
何とか部活は終わり、帰り支度していると、「美穂、悪い。用事出来たから先帰る」と優斗は言って、早々と荷物を持って、去っていってしまった。
取り残された私は「あー、うん」としか言えず、どうしようかと悩まされた。
「ラッキー!じゃあ俺が送ってあげるね?アイツ帰ったし」とあっ君は嬉しそうに笑いながら私の肩に手を回した。
「え?澪華ちゃんと帰らなくて良いの?悪いから良いよぉ」と私が言うと、「そう言うなって!ほんとは俺と帰れて嬉しいだろう?」って耳元に囁くように言うあっ君。
そこに「ちょっと??あっ君何してるのよ?いい加減にしてよね。引っ付きすぎよ?美穂ちゃん困ってるでしょ!」と現れたのは澪華ちゃん。
助かった~と思う半面、少し残念な気もした。
だって私はあっ君の親友…いえ、大ファンですもの!
この気持ちがバレないよう心がけてきた。
あっ君は私のタイプそのものなのに…私は恋人になってほしい人は弘夢を選んだ。
それはあっ君に恋人がいるからじゃなくて、純粋に、私が弘夢を好きすぎるだけ。
そしてあっ君は…ファンクラブを持つ人気者。そんなあっ君だからこそ私は密かにファンクラブに入り、小さく応援しているのだ!
このことを知ってるのは、優斗だけ。
優斗にはホントになんでも話せて色々言っちゃう。
だからあっ君が大好きで、密かにファンクラブ入って応援しているってことも暴露してしまった。
「ほら、彼氏に置いて帰られた可愛そうな彼女を慰めてやろうと思って」とあっ君は言う。
遠目にいる弘夢をチラッと見た澪華ちゃんは
「そうね。なら私も一緒に帰るわ。3人で帰りましょ?良いでしょう?」と澪華ちゃんは笑った。
私は頷く。
「良かったぁ。じゃあカフェで甘いもの食べて帰ろーもちろん、あっ君の奢りね!」と澪華ちゃんは言って、私の手を取り歩き始めた。
それにつられるようにしてあっ君も歩き始めた。
「しゃーないなぁ。おごってやるか」とあっ君は言った。
そんな私たちの背中を見送る弘夢。
視線は感じたけど気付かないふりをした。
3人でカフェでお茶して…談笑する。
「…で、進展はありそうなの?」とストレートに聞いてくる澪華ちゃん。
「…優斗いわく、想像してたよりずっと早く決着つきそうだって」と私が言うと、
「そっか。まあ、アイツもう限界っぽいもんなぁ。練習もかなり荒れてるしな。何か言われてたでしょ?」とあっ君
「喧嘩売ってんのか?って言われました」と私が言うと、
「…あれはそろそろヤバイな。そのうち爆発してキレるだろうなぁ」とあっ君は楽しそうに言う。
「…ウソ守るのって案外大変ね。なんで周り皆気づいてるのに本人は気付かないのかしらね?バカなの?」と澪華ちゃんは言う。
「…私が好きなのは優斗だと思ってるらしくてね。両想いなんだって勘違いしてるらしいから仕方ないのかなって。ファンクラブあるくらいモテてることも気づいてないしね、気づいて欲しいよね」と私が言うと、
「ほんとだよねぇ!そう言えば、あっ君のファンクラブもあったわよね?私も気が気じゃないんだから!」と澪華ちゃんが言って、私も思わずドキッとした。
「…ファンクラブ?俺の?マジで?メッチャ嬉しいやん!あ、けど…俺は澪華がいればそれでいいよ。もしいじめられたら言えよ?ちゃんと守るから。ファンクラブの人らにもちゃんと澪華のこと認めてもらいたいな」と平然と言うあっ君に照れてる澪華ちゃん。
「…認めてるよ…。入る隙無いくらいラブラブじゃん」私は独り言のように呟いた。
澪華ちゃんは聞き逃さない。
「今の言い方って…もしかして、美穂ちゃんも入ってるの?」と、ど直球に言われた。
バレてる…
私は頷いた。