BLUE GIRL
第2章
ふたりだけの秘密
診察後は点滴をしてもらい、朝までベッドを借りることになった。
みんなに事情を話しておいてくれるという会話をユウとしてベッドに横になり、すぐに眠ってしまった。
「目が覚めたかな」
「美島さん!」
カーテンの隙間から光が射していた。
「おいおい、そんなに勢いよく起きないでくれ」
困ったように美島さんに言われて、手首に刺さった点滴の針を思い出す。
「撮影は?」
枕元の時計は午後1時。
随分と眠ってしまったようだ。
「理子の出番は全て明日に回してくれるということだ。今日はゆっくり休んで、明日取り返せば良いさ」
「ユウはーー」
「昨夜病院からまっ先に私の部屋に来てくれてね。それから監督やスタッフに事情を話してくれていたよ」
「美島さん、実はユウに、私の本名を知られてしまいました」
「どうして…」
美島さんが驚いた表情になったが、ベッドの"ツジサキ リコ"と書かれたネームプレートを一瞥して頷いた。
「ユウに話しても良いでしょうか」
病室には私たちしかいないことを確認して問う。
「【BLUE GIRL】が実話であること、作者の羅依とは辻崎理子本人であることを、ユウに打ち明けても良いですか」
「話してどうするの」
前のめりの私を諭すように美島さんは優しく聞き返してきた。