BLUE GIRL

【BLUE GIRL】を出版する時、
私は担当編集者である美島さんと約束をした。

何か困ったことがあれば、全て美島さんに相談することを。

私の拙い文章を推敲し、ともに【BLUE GIRL】を作り上げてくれた美島さんの言うことは絶対だ。





美島さんは私たちの支えであり、


ーー美島 海(みしま うみ)の父親だからだ。







担当編集者として【BLUE GIRL】を多くの人に届けようと奮闘してくれた海のお父さんは、

私が映画に出ることを許可してくれただけでなく、こうしてマネージャーとして同行してくれた。




「話してユウくんに何かメリットはあるの？今のままでも彼の演技はリョウそのものだ。ただ自分の名前を作中に使っただけと、ユウくんに説明すればいい」


ユウは映画【BLUE GIRL】のリョウ役を演じているだけであって、それが実話かどうかなんてたぶんどうでもいいことだ。

本当のお話だと知って、ユウの演技が変わるわけでもない。


ここは素直に大人の意見を受け入れるべきだ。



「それともユウくんに話したい別の理由があるのかな？」


美島さんの問いに顔を上げる。