BLUE GIRL

そのままRyoは立ち上がり、帰り支度を始めた。


「今日は家に帰るわ」


「そっか」


タイミングよく通りかかったタクシーを止めて、ユウは私を先に乗せようとしてくれたが、Ryoに譲る。


「羅依が乗ってよ」


「Ryoの足元フラフラだよ?心配だから早く帰って」


「ありがとう。それじゃぁ、また。ユウさんも」


「ああ」


Ryoの代わりに運転手さんに行き先を告げて、寝ていたら叩き起こして頂くようにお願いする。


「羅依、家に着いたら電話してね」


Ryoの言葉に頷き、手を振ってタクシーを見送った。





それからユウと大通りまで歩いた。


繁華街で人通りは多いが普段、夜遊びをしないためか危険な夜の香りがする。


コンビニの前で制服で座り込む女子高生の集団を二度見して、横断歩道を渡る。


特に会話もなく、心地よい風に後押しされて歩く。


眠気もあるし疲れているけれど、もう少しユウと一緒に居たいと密かに願っていた。

< 130 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop