BLUE GIRL
そのままRyoは立ち上がり、帰り支度を始めた。
「今日は家に帰るわ」
「そっか」
タイミングよく通りかかったタクシーを止めて、ユウは私を先に乗せようとしてくれたが、Ryoに譲る。
「羅依が乗ってよ」
「Ryoの足元フラフラだよ?心配だから早く帰って」
「ありがとう。それじゃぁ、また。ユウさんも」
「ああ」
Ryoの代わりに運転手さんに行き先を告げて、寝ていたら叩き起こして頂くようにお願いする。
「羅依、家に着いたら電話してね」
Ryoの言葉に頷き、手を振ってタクシーを見送った。
それからユウと大通りまで歩いた。
繁華街で人通りは多いが普段、夜遊びをしないためか危険な夜の香りがする。
コンビニの前で制服で座り込む女子高生の集団を二度見して、横断歩道を渡る。
特に会話もなく、心地よい風に後押しされて歩く。
眠気もあるし疲れているけれど、もう少しユウと一緒に居たいと密かに願っていた。