BLUE GIRL
ユウ専用の控え室の鏡の前に座り、原田さんに特別なクリームを塗ってもらう。
「犬でも買ってるの?」
「昨日、酔って俺が噛み付いた」
「このバカッ!」
原田さんはクリームの入った容器をユウに投げつける。
「痛ぇ、商品になにすんだよ!」
腹部に当たったクリームを拾いながら悪態を吐くユウに原田さんは言い放った。
「羅依さんだって商品でしょう?ユウは商品に手を出して、こうして撮影に支障がでることをしてるのよ。反省しなさい」
「うるせえな…」
近くの椅子に座ったユウは言い返す言葉もないようだ。
「20歳になったばかりの若造が、お酒に溺れてどうするの。19年間お酒なしでやって来れたんだから、今更バカみたいに飲まなくてよろしい」
耳の痛い話にユウはそっぽを向く。
ユウを言い負かせられる原田さんはカッコイイ。
「うん、なんとか消えたわ」
「ごめんなさい」
「あなたは謝らなくて良いのよ。ユウには謝ってもらったの?」
首を振る。
昨夜の態度は酔った上でのもので、私にも非はあった。お互い様だろう。