BLUE GIRL
「ユウさん、最後のキスシーンは本気でやってくださいね。手を抜くことはプロとして恥ずかしいですわ」
雪乃さんの言葉にユウは顔を上げた。
「そのつもりだ」
「安心しましたわ。さあ、戻りましょう」
役者として互いに受け入れ合い、2人の雰囲気がガラリと変わった。
肩を並べ待てスタジオに戻る2人は誰が見てもお似合いだ。
「気を落とさないの」
いつの間にか後ろに立っていた原田さんが肩に手を置いた。
「仕事としてだから、受け入れないとね」
「……はい」
役者の彼女って大変だな。
ーー私には、関係のないことだ。