BLUE GIRL

「ユウさん、最後のキスシーンは本気でやってくださいね。手を抜くことはプロとして恥ずかしいですわ」


雪乃さんの言葉にユウは顔を上げた。



「そのつもりだ」


「安心しましたわ。さあ、戻りましょう」


役者として互いに受け入れ合い、2人の雰囲気がガラリと変わった。

肩を並べ待てスタジオに戻る2人は誰が見てもお似合いだ。






「気を落とさないの」


いつの間にか後ろに立っていた原田さんが肩に手を置いた。


「仕事としてだから、受け入れないとね」


「……はい」


役者の彼女って大変だな。
ーー私には、関係のないことだ。

< 140 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop