BLUE GIRL
最後まで聴き終え、ヘッドフォンを外した私にRyoは笑った。
「明るい歌でしょう?海に哀しみは似合わないもんね」
「それじゃぁこれが【BLUE GIRL】の主題歌の…」
「まだタイトルは決めてないけどね」
「良い曲だよ。素人目線で申し訳ないけど」
顔をくしゃくしゃにしてRyoは笑った。
海の好きだったRyoの笑顔。
「この曲を書いてたらさ、今まで混乱してた自分の頭を上手く整理できた気がする」
狭い車内でRyoは私に頰を擦り寄せてきた。
子供が母親に甘えるような仕草で。
「きっと海は天国で幸せになってるよね」
「当然でしょ」
少し癖のある髪を優しく撫でる。
【BLUE GIRL】の主題歌は想像していたものよりもずっと明るく、明日への期待が込められている。
海の残したかった【BLUE GIRL】は希望の物語だから、きっと彼女は新曲を気に入るだろう。