BLUE GIRL

「ユウ?意地悪?それともヤキモーー」


我に返りその真意を探ろうとすれば、既にヘッドフォンを装着していた。


「ユウ、ユウ?」


もう聞こえていないのか呼んでも反応してくれない。

ヘッドフォンから微かに音漏れが聞こえた。

絶対に分かってやってる!


ええい、お返しだよ。







「一生、あなたのモノでいたい」



整った横顔に声に出して言った。


鏡越しに目が合ったけれど、笑って見せた。


相手は聞こえていないと分かっていると、堂々と言いたいことを言えるものだ。




メモ帳に単語を書き出したユウを見て、

ーーああ、やっぱり聞こえてなかったんだ。

と、安心したような、気付いて欲しかったような複雑な心境だった。

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