BLUE GIRL

ユウを引き止めて一緒に帰ろうと誘う。

2人で電車に乗ることも今日で最後だろう。

あ、でも打ち上げを後日開催すると言っていたから、後1回はユウに会えるんだ。
…どうして、そんなことを考えてしまうのだろう。



「ユウさんのおかげで、無事に乗り切ることができました」


「そうか」


「お礼にアイスでもおごります!」


「アイスっておまえ何時だと思ってる?太るぞ」


いつか冷たいものを食べようと誘ってもらったが、断ってしまったからーー時間稼ぎをしようと必死な自分がよく理解できない。



「蒸し暑いですし、いいじゃないですか!」


「…そこの公園にいるから、とっとと買ってこい」


午前2時ーー人通りはほとんどなく、いつもより大きな声で話す。


「了解です!」


目の前のコンビニに駆け込む。
真っ先に手に取ったチョコのアイスは、海の大好物だったものだ。
無視意識に海の好きなものを選んでしまう自分に苦笑しながら、店内の壁に貼られた【BLUE GIRL】のポスターを照れ臭い気持ちで眺めた。

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