BLUE GIRL
ゆっくりと立ち上がり、私に背を向けた。
「友達?そんな面倒なもの、俺が必要としていると思うか?」
「だ、だから!友達第1号になってあげようと思って」
「それじゃぁ、Ryoと、友達の俺が助けを求めていたらおまえはどっちを優先する?」
「それは……」
究極の選択を迫られた時に自身がどう選択するか、分からない。親が子供を庇うように、衝動的に助けに向かうのだろうから。
「Ryoを捨ててユウを選ぶことも、ユウを捨ててRyoを助けることも、私にはできない。どっちも助けてみせるよ…だから、意地悪な質問は止めて」
私の問いにユウはこちらを向き、寂しそうに笑った。
「別に命の選択を迫られた時の話をしてるわけじゃないよ。それにおまえと友達になる気なんて、ないしな」
「なんで…椎名雪乃さんともう同じ現場ではないから、私が不必要になった?」
「言っただろう。俺は、たぶんおまえが好きなんだよ。好きな奴と友達なんかになれるか。バーカ」
また"たぶん"だ。
ユウが本気で私なんかを好きになるはずがない。ユウの気持ちには一生、"たぶん"が付くはずだ。