BLUE GIRL
公園を出たら、全て終わりだ。
きっとユウは私に声を掛けてくれることも、笑い掛けてくれることも、2度とない。
2ヶ月ちょっと前に戻るだけのこと。
それだけのことなのに、
「…行けと言ってるだろ」
もう足は動かなかった。
目を開けたユウに怖い形相で睨まれても、足は動かなかった。
言い訳も、ポジティブな誤魔化すような言葉も、
なにひとつ浮かばず、
ただユウと向き合っていた。
どんな表情でもいい。
ユウのことを目に焼き付けておきたい。
偉そうな顔も、意地悪な顔も、
優しい笑顔も、
役者の顔をしている時も、
歌を聴いて涙する姿も、
ユウを構成する全てのものが愛おしい。
「ーー俺はおまえに逃げる選択肢をやってるのに、どうして退かない」
今浮かべている困った顔も大好きだ。