BLUE GIRL
海。
やっと踏み出せそうな気がするよ。
一歩、勇気を出してみる。
また一歩とユウに近付き、手を差し伸べる。
「ユウさん、私と生きてください」
そっと手を掴まれ、立ち上がったユウは手の甲に口付けた。
「仰せのままに」
「ふっ」
ユウの返答に笑ってしまった。
王子様キャラが板に付いている。
「笑うなよ、ブス」
「なっ、」
「なんか急に暑くなってきたわ。アイスもう一本買いに行くぞ」
「え?今?このタイミングで?」
「おまえも顔が赤いぞ」
「嘘…」
重ねられた手は恋人繋ぎに変えられ、引かれるようにして歩き出す。
「大丈夫、心配することなんてなにひとつないよ」
「ありがとう」
私たちらしい言い合いをして一緒に公園を後にできたことに、ひどく安心した。