BLUE GIRL
第3章
つづられた願い
目覚まし時計もかけず、お風呂にも入らずにベッドにダイブした。
高校を辞めて自由になった時と同じ生活リズムだ。
予定もなければ、やることもない。
昼過ぎに起床して食パンをかじる。
行きたい場所も、やりたいこともなく、テレビを眺める退屈な時間。
「起きたの」
「…この時間にいるの珍しいね」
冴えない頭でシャワーでも浴びようかと立ち上がると、母が寝室から出てきた。
いかにもキャリアウーマンという風貌で、スーツと濃いめの化粧を施し、片手にノートパソコンを持っていた。
「だらけてないで、シャキッとしなさい」
「分かってる」
【BLUE GIRL】の撮影が終わり、私のスケジュールは見事なまでの空白になった。
今までが非日常だったのだ。
「それ、素敵ね」
母の視線がワンピースにつけたブローチにいった。
ああ、昨日の服のままだ…。
「いただきもの?」
「うん」
「あなたのこと、よく理解してくれているのね」
久しぶりに笑った母を見た。