BLUE GIRL

デザートにクリームあんみつまで注文して満腹になったのか、お金も払わずにRyoは帰って行った。


呆れ顔のユウと、やっと落ち着いておにぎりを食べる私の間に微妙な空気が流れる。


個人稽古をつけてもらう時のような緊張感。


恋人同士特有の甘い空気の出し方なんてよく分からない。海の場合はあの子が笑えば、自然と雰囲気が柔らかくなったけれど。

突然私が不細工な笑みを作ったところで、ひかれるだけだろう。


食事中にお喋りをし過ぎるのもよくないと思い、黙って食べる。


上手い会話が見つからずに横目でユウを伺うと、壁に寄りかかり立膝をついて目を閉じていた。


最近、気付いた。
ユウは考える時、目を閉じる。


今、何を考えているのだろう。
それともRyoのうるささに疲れただけだろうか。



「…ご馳走様でした」


ついにおにぎりと唐揚げを平らげてしまった。


目を開けたユウと視線が絡む。


さぁ、これからどうしよう。

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