BLUE GIRL

海のためだと聞いた時に爪を立ててしまったのだろう。


「ううん。見せてくれてありがとうね。ユウの話を聞いて、嫉妬した。海のために私と付き合ったんだ、って。それに…親しくなるきっかけが海だというのも悔しい。手紙がなかったらユウはきっと私に見向きもしないもの」


「それは…そうかもな」


爪痕をさすると、ユウはくすぐったそうに目を細めた。


「人付き合いは嫌いだし、女はもっとウザい。だけどさ。強がりで一生懸命で、それでいてたまに見せる表情は儚げでーーそんなおまえから目が離せなくなることも時間の問題だと思うよ」


海。
あなたは最後まで私のことを思っていてくれたんだね。


ユウに託した手紙は、確かに私とユウを繋げてくれた。



「海の言う通り、私たちは似た者同士だもんね。惹かれずにはいられない」


「そうだな」





笑い合う。
全ての謎が解けたその日、私たちの間に一切の秘密がなくなった。








私とユウの間に起きたこと全てを、



ーー海、あなたは予想していたのかな。







きっと私たちが惹かれ合うことも、
お見通しだったよね。


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