BLUE GIRL
ユウに通路側を譲り席に着く。
タイミングよく始まった映画は、海とリョウの告白シーンからだけれど。
それを盗み聞きする私の演技と言ったら…恥ずかしい。
けれど初めての撮影で動揺している私は、2人の告白シーンに動揺しているように映った。
その後も続く甘酸っぱいシーンの数々。
私とリョウの記憶、そして海の日記を参考にして【BLUE GIRL】は完成した。
そんな海の人生が映像として生き返った奇跡。
きっと海もどこかで見ているはずだ。
まだ涙ぐむシーンではないのに、開始早々、涙が出て止まらなくなった。
上手く編集されてより良い作品に仕上がっていて、流れるようにストーリーが頭に入ってくる。
キャストやエキストラさんの演技も完璧で、感情が高ぶる。
そんな私に気付いたユウはそっとハンカチを差し出してくれた。