BLUE GIRL
照明が点く。
鼻水を啜る音や、感想を語る声で溢れかえる。
「目が真っ赤だ」
ユウに手を引かれ、私たちは席を立った。
『きみのいない明日へ』
そのタイトルを選択したユウと、受け入れたRyoに背中を押されるかたちで監督に直談判した。
【BLUE GIRL】のラストを変えて欲しいと。
海が亡くなったことを世間に隠すよりもありのままに伝えて、それでも希望があることを伝えたかった。
私もRyoも笑えるようになったからーー。
もう大丈夫だと海に伝える意味も込めて、エンドロールの最後にシーンを追加してもらったのだ。
「泣くなよ」
人の少ない柱の近くに移動し、ユウは私の涙を親指で優しく払ってくれた。
「今更、泣くなんておかしな話だけど…止まらない。でもやりきったよね、私…」
「ああ」
「【BLUE GIRL】が素敵な作品になって良かった」
前を向いたつもりでも、進んでいるつもりでも、どこか不安があった。
それでも今日【BLUE GIRL】の完成形をこの目で確かめ、心がすっと晴れた。
海が望むようなラストにはできなかったけれど、
理子とリョウにとっては希望のあるエンディングとして
本当の意味で【BLUE GIRL】は幕を閉じた。