BLUE GIRL
困り顔のマネージャーと目が合う。
中肉中背の男性。
年齢はユウより一回りは年上だ。
助け舟を出してくれるかと思いきや、彼は視線を逸らした。
そして、ユウはーー
「もしもおまえが反対するのなら、俺は【BLUE GIRL】への出演を辞退する」
真剣な表情でそう言った。
「おまえに選択肢はない」
【BLUE GIRL】にユウは必要だ。
「俺と付き合えーーこれは命令だ」
話題性や興行収入、そんな理由でなくて。
ユウがリョウ役を降りることで、
天国の海は落胆するだろう。
海が大ファンだった、あなただから、
絶対に出演してもらわなければ困る。
「分かった…でもきちんと説明して。説明してくれたら私は、あなたの命令に従います」
ユウが私の答えに、
笑った。
小馬鹿にしたような笑いに、
こちらも笑い返す。
海のためなら、嫌な奴とでも付き合える。
海のためなら、私は全てを犠牲にしてもいい。