BLUE GIRL
その日はお昼になるまでユウに話しかける機会がなかった。
「ちょっと!」
スタジオのトイレに入ろうとするユウを廊下で引き止め、無理矢理に腕を掴む。
「なんだよ」
しかし簡単に手を振り払われた。
くそぅ。
「なんだよ?じゃないです!今朝のことを話し合いたいんですけど?私が納得しているとでも思っています?…逃げたら、トイレまで付いて行きますからね」
「話すことはねぇが、今夜、空けとけ」
「今夜は無理」
「あ?」
睨まれて怯みそうになるが、咄嗟に嘘をつく。
「今日は、母と外で食事の約束なので」
「俺も連れてけ」
「はあ?」
まさか!そうくるとは思わなかった!
嫌がらせにも程がある。
「大事なお嬢さんに手を出すんだ。先に親御さんの許可を頂くことは当然だろう?」
「……」
真っ当なことを言っている空気になってはいるけれど、"手を出して"良いなんて許可した覚えはもちろんないです。