BLUE GIRL
「【BLUE GIRL】を撮り終えたら話すよ」
そう言いながら、ユウは私の隣りに立った。
「俺は次の現場に行くから。頑張れよ」
嫌味のひとつでも言われるのかと思いきや、肩にポンと手を置かれた。
「ありがとう。ユウさんもね」
「おう」
すごく嫌な奴だと思う。
けれど午前中は稽古に付き合ってくれた。
上手くろれつが回らなくても、ぎこちない動きを指摘されて何度やり直しても、ユウは怒らなかった。苛立ちも見せずに繰り返し一緒に練習してくれた。
ユウの立ち去る姿をじっと見ながら雪乃さんは小さな声で聞いてきた。
「羅依さんは気にならない?ユウの新恋人」
「気になりますね…」
とりあえず同調しておく。
あの写真は稽古に付き合ってもらって、帰り道に撮られただけなんです!そう言うことができれば、スッキリするのにな。