BLUE GIRL
ユウの活躍に海が励まされていたことを伝えたい。
海のために書いた作品が【BLUE GIRL】だと打ち明け、実話だと話したらユウはどんな反応をするだろうか。
演じ手として何を思うだろうか。
もしも打ち明けることでユウに重荷を背負わせてしまうのであれば、隠し通すべきだ。
ユウには自由に、リョウ役を演じて欲しい。
「突然、どうしたんですか?」
肩に感じる重みは嫌じゃない。
「疲れた」
「朝から、撮影でしたもんね」
目を閉じたユウに帽子を深くかぶせてあげる。
「どこで降ります?起こしますね」
「おまえが行きたいところで良いよ」
今日は私たちが恋人にならなければいけない理由を聞くために予定を空けておいたけれど。
マネージャーから椎名雪乃さん絡みだと教えてもらったから、もう一緒にいる必要はない。
次の駅で降りて、自宅に帰れば良いけれど。
私は終着駅まで腰を上げることはできなかった。