BLUE GIRL
逃げ帰るわけにもいかず、ライブハウスに入る。
1階はスタンディングで、私たちは関係者席である2階に通された。
ぎゅうぎゅうになった1階はグッズのTシャツやタオルを巻いた女の子や男の子が溢れていた。座席のある2階には私の両親の年齢くらいの男女もいて、ライブに足を運ぶ程にRyoを応援してくれているのだろう。とても嬉しくなる。
「ユウさんもRyoの歌を聞いたりする?」
「聞くよ」
「嘘!どの歌が、好き?」
「"永遠に"かな」
「永遠に…」
海が亡くなった後に、Ryoが書いた大切な人との思い出を綴った一曲だ。
「悲しい歌だよね。初めて聞いた時、泣いたよ」
「そうだな」
会場の照明が落ちる。
軽快な音楽が流れ始め、Ryoが現れた。
歓声と拍手が巻き起こる。