BLUE GIRL
ライブ終わりで疲れているだろうに、わざわざ謝罪に来てくれたのだ。昨日のことは許してあげなきゃね。
「ねぇ…ライブ来てくれたんだね」
ソファーの背もたれに寄りかかりながら、Ryoは真顔で言った。
「……気付いてたんだ」
海が亡くなってからはライブから足が遠のいていた。具体的な理由があるわけではないが、1人で行っても楽しくない。
「どこにいても、理子のことは見つけられるよ」
理子ーーRyoにそう呼ばれると、
一気に現実に引き戻される。
最近は羅依と呼ばれることが多かったせいか、本名に違和感を覚えるなんておかしな話だ。
「ユウとはどんな関係なの?」
「【BLUE GIRL】の共演者だよ」
「キスしてたよね」
目が合ったことは、
気のせいではなかったようだ。
「理子はーー海のいない世界で幸せを見つけるの?」
薄ら笑いを浮かべて責めるようにRyoは言った。