BLUE GIRL

ライブ終わりで疲れているだろうに、わざわざ謝罪に来てくれたのだ。昨日のことは許してあげなきゃね。


「ねぇ…ライブ来てくれたんだね」


ソファーの背もたれに寄りかかりながら、Ryoは真顔で言った。


「……気付いてたんだ」


海が亡くなってからはライブから足が遠のいていた。具体的な理由があるわけではないが、1人で行っても楽しくない。



「どこにいても、理子のことは見つけられるよ」


理子ーーRyoにそう呼ばれると、
一気に現実に引き戻される。


最近は羅依と呼ばれることが多かったせいか、本名に違和感を覚えるなんておかしな話だ。



「ユウとはどんな関係なの?」


「【BLUE GIRL】の共演者だよ」


「キスしてたよね」


目が合ったことは、
気のせいではなかったようだ。


「理子はーー海のいない世界で幸せを見つけるの?」


薄ら笑いを浮かべて責めるようにRyoは言った。


< 72 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop