BLUE GIRL

マグカップをサイドテーブルに置き、Ryoは私の手を引いた。



そしてゆっくりと顔が、唇がーー近付いてくる。




彼の目を見つめるが、その瞳は哀しみの色をしていた。




「Ryo、やめて」


咄嗟に顔を背ける。





「ユウのキスは受け入れて、俺は拒絶するの?」


「Ryoと一線を越えても、海が喜ぶとは思えない」


手を伸ばしてRyoの身体を引き離した私は溜息をついた。


私たちの間に愛なんてものはない。

海を失った傷を舐め合い、依存しているだけだ。


< 74 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop