BLUE GIRL

鏡の前に座り、不細工な自分の顔を凝視してハッとなる。

待って。こんな不細工な顔、全国上映できるの?見るに耐えないよね?


「おい、」


心の中で独り言を呟いていたつもりだったのに、声がした。


「え?」


「今日はハンバーグかサバ。どっちがいい?」


いつの間にか部屋に侵入していたユウはお弁当とお茶を持って立っていた。


先ほどまで泣く演技をしていたとは思えない程、冷たく淡々としていた。


「…ハンバーグがいい」


私に大きなハンバーグ弁当を差し出したユウは許可なく、畳の上に触った。


「なんでここで食べるの」


「腹減ったから」


理由になってない。
けれどハンバーグ弁当を譲ってもらった手前、文句も言えずに彼の正面に腰を下ろす。



「今日のおまえ、良かったよ」


「本当は号泣しないといけないシーンだったけど…」


「おまえの涙、美しかったよ」


「……」


ユウって美しいなんて言葉、言えたんだ。
それも私に向かって。


箸を止めないユウは返事を求めているわけではないようなので、私もハンバーグを頬張る。


私の涙の理由は大抵、海だけど。
ライブハウスでのユウの涙は、何が原因だったのだろう。
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