BLUE GIRL

「ご馳走さま」

「ユウ!待って」


お弁当箱を持って立ち上がった彼は私を無視して扉を開けた。


そして開いた扉から、影が覗いた。



「Ryo…?」


見慣れた人物がそこに立っていた。


「はじめまして。Ryoです。今日は撮影現場にお邪魔して、主題歌のイメージを固めようと思いまして」


「水城優矢です」


ユウは頭を下げた。


「ら、羅依です。はじめまして」


来るなら先に言ってよ!
Ryoを睨みつける。


「2人とも少しお話聞かせてもらっても?」


「……良いですよ」


ユウは再び畳の上に座った。

一切、私の目を見ずに。

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