BLUE GIRL
テーブルを囲んで、ユウとRyoと同じ空間にいるなんて不思議で少し居心地が悪い。
「ユウさんはどうして【BLUE GIRL】に?」
「…たまたまです」
「僕、ビックリしましたよ。ユウさん、金髪から黒髪になってて」
Ryoの感想に対してユウは答えなかった。
「海とリョウの恋愛を見て、ユウさんはなにを思いました?恋多きユウさんから見て…」
主題歌のイメージを作りたいなんて嘘だ。
Ryoはただユウに興味があるだけだろう。
自分自身の役を演じるユウに厳しい評価を与えたいだけだ。
その証拠に私には一切の興味を示さない。
「別になにも思わないけど」
「可哀想だとか、泣けたとか、なんかあるでしょう」
「可哀想?誰に対して?精一杯生きている女に対して言う台詞じゃねぇよ」
冷たく言い放たれた言葉は、ユウの海に対しての気持ちだった。
誰もが海に可哀想だという感想を抱くけれど、ユウは違った。
彼の気持ちに、心がすっと軽くなる。