BLUE GIRL

「悪いけど、もう行くわ」


「…ユウさんは、病気に立ち向かう人を実際に見たことがないから、そんな綺麗事が言えるんでしょうね」


「Ryo!…さん…!」


失礼な発言をしたRyoを殴り付けたい衝動に駆られるが、グッと堪える。



「そうだな。俺は何も分かってないな」


ユウなら言い返すかと思ったが、あっさり引いて出て行ってしまった。






「あんた何しに来たの」


2人きりになった控え室でRyoの頭を叩く。



「理子があんな奴に唇を許したことが許せないし、海があんな男を応援してたかと思うと腹ただしい!」


「だからってユウに八つ当たりする必要はないでしょう」


「理子…」


Ryoにギュッと抱き締められる。



本当に可哀想なのは、
過去を受け入れられない、私とRyoだ。

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