**零れる涙**
さっきまで、荷物しか置かれていなかったシンプルな部屋に、好きな人がいる空間が私を緊張させた。

ドキドキが止まらない。

「よかったの??バレないかな?」

うさぎのぬいぐるみに布団をかけただけ。

見つかればアウトだ。

「大丈夫じゃないかな?部屋暗いし、静かにしてれば見つからないよ。
それに親父はいつも下で寝てるから」


そうなんだ?、と私は、不思議に首を捻る。

二階には部屋が何個もあるし、本当に大きい。
私は、不思議に感じた。

「今はアルコールは、飲んでるの?」


私のさりげない疑問をぶつけたら、少し辛そうに俯いた。
聞いちゃいけないこと、だと慌てた。


「ごめん、急に変なこと」


「違う……………















アルコール、止めれればもっと幸せなのにな。



本当に優しい人だから、それがなきゃもっといい人なんだけどな」











なんで、そんな悲しそうに笑うの?


私の疑問は、深まるばかり。

アルコールがもたらす、危険をーーー
私は、この時知らなかった。


だけど、私はこの夜…………

その危険に、遭遇するんだ。




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