**零れる涙**
ーーーガチャ。


ん…………?


ドアが開く音に目が覚めた。

隣を見たら進くんは丸くなり寝ていた。
じゃあ、今の音は?

何?


「………カンナ?
大きくなったな。もっとよく見せてごらん」


ニヤリ、と笑う進くんのお父さんは私を布団から引きずり出した。


そして、、床に押し倒した。



な、何…………?


何が、起きてるの?


「や、やだっ」


進くんっ!!


寝ている進くんは、布団の中で寝ていて気づいていない。

近づくおじさんに身震いた。


「随分、大人になったカンナを見せてごらん?」
そう言い、私のワンピースを捲った。


やっ!!


なんで、どうして…………?


涙が、加速する頬。

私のすすり泣く声と、おじさんの息使いしか聞こえない。

触れる度に気持ち悪くて、身震いしてやっと振り絞った声は………。


「す、すむくん………」


貴方を呼ぶか弱い声だけだった。














「何してんだよ‼?」













ーーーーーーバキッ











聞こえたその声が、、













 愛しい人の声で、私は呼び起こされた。



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