**零れる涙**
リビングに行けばいい匂いに、気持ちは余計上がるのを感じた。

「わあ、和食美味しそう。
ごめんね、なにもかもして貰ってっ」

焼き魚、味噌汁、沢庵に茄子、納豆。

どれも好きな和食メニュー。

「いや、料理は好きなんだ。

得意料理は、肉じゃが。
なんならおばあちゃんに作って持っていくかな。カンナも、作る?
おばあちゃん、喜ぶよきっと」


爽やかに笑う進くんに、私は笑い返した。

「けど、私…あんまり料理は……肉じゃがとか、作ったことなくて………」


料理、余りしたことはない。
意外と言われるけど、うまい味付けが出来ない。
和食とか、高度な技術だよ………。


「じゃあ、教えるよ。

とりあえず、朝飯にしょう」

私は進くんの和食を見やる。

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