**零れる涙**
君と、旅に出るーー

田舎で待つおばあちゃんへ

美味しい和食を口にした。
少し、しょっぱい魚。
私の涙だった……。

「ご飯食べたら、肉じゃが教えてね」

おばあちゃんに気に入って貰う、味にしたい。

でも、きっと進くんなら優しい味が作れるだろう。



ーーーーーーーーー


「はい、お野菜切ってね」

進くんに言われ、肉じゃがを作る野菜を切ってゆく。
野菜ぐらいは切れる。
ただ、味つけに自信はないけど。

鍋に野菜を入れた私は、鍋を見つめ考える。


「カンナ、見すぎだから」

ふふ、と笑う進くん。

恥ずかしい。

「あの、味つけは??」

いつ、鍋に入れるの?、と聞いた。

「先ずは、煮つめないとね。
味つけは、カンナがしてみて」


えっ……!!


「いや、ムリムリ。私の味つけなんて、破壊級のヤバさだから、進くんが……」 

私の味つけなんて、おばあちゃん殺しちゃうよ。

私は、焦る。
本当に、味音痴なんだもん。
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