**零れる涙**
「味見しながら、味を足してく。
大丈夫、大好きなおばあちゃんを想って作りな。それが一番のスパイスだよ」



一番のスパイスは、大好きなおばあちゃんを想う気持ち……。


私は、初めての肉じゃがに挑戦した。

少しずつ、足してゆくスパイス。
一番に"想い"をスパイスに込め、大好きなおばあちゃんのことを考えた。


「味、どうかな?」

最終審査は、進くん。

小さな小皿に、汁を少し入れた進くんは、その口に流し込んだ。

待つタイミング。

ドキドキの味つけ。


「うん、美味しい。
これなら、喜ぶよ……おばあちゃん」


やったぁ‼

私は、思わず笑顔になる。 

肉じゃがをタッパに詰め、溢れないように厳重にした。

進くんありがとう。


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