**零れる涙**
ガタンガタン。

私服姿の進くんの、姿に私は、ドキドキが止まらない。

電車に揺られながら、田舎にいるおばあちゃんの家を目指す。

電車に揺られて二時間。

「なんか、お腹空いてきたな」


来た‼

「あのね、これ……」
頑張って作ったおにぎりと、おかず。

おにぎりは、二つずつ作った。
鮭に、たらこに、梅をMixしたおにぎりにして。
おかずは、ウインナー、卵、からあげ、ニンジンをウサギ型にくり貫いた。

「うわ、めちゃくちゃすごいじゃん‼」

進くんは目を見開き、歓声をあげた。

人が振り向くけど、そんなに人もいない。

すぐに、スマホに目を落とす人々で溢れていた。

「あのね、進くんを想って作ったんだ」

緊張するーー。

「それは、最高のスパイスだね」


最高の誉め言葉だよ。

私達は、揺れる電車の中……
二人で寄り添い、お弁当を食べた。



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