**零れる涙**
その家は、そこに一つだけ……
うん、田舎とは聞いていたよ。
山道だとも、聞いていたよ。
スマホに視線を落としたら、圏外のままの電波にため息を吐き出した。
「………自然に恵まれてるとこだね」
進くん、気を使ってくれてるのかな?
よく、おばあちゃんの家繋がったな電話。
目の前に、普通の家。
幾分、ホッ、とする。
だけど、回りには山ばかり。
回りには家がない。
もしかして…………。
おばあちゃんだけしか、居ないとか?
だから、あのタクシーの運転手さんチラリ、と見ただけでどこか、分かったんだ。
家の前に立てば、チャイム。
山岸とある表札。
私は、インターホンを押した。
山道だとも、聞いていたよ。
スマホに視線を落としたら、圏外のままの電波にため息を吐き出した。
「………自然に恵まれてるとこだね」
進くん、気を使ってくれてるのかな?
よく、おばあちゃんの家繋がったな電話。
目の前に、普通の家。
幾分、ホッ、とする。
だけど、回りには山ばかり。
回りには家がない。
もしかして…………。
おばあちゃんだけしか、居ないとか?
だから、あのタクシーの運転手さんチラリ、と見ただけでどこか、分かったんだ。
家の前に立てば、チャイム。
山岸とある表札。
私は、インターホンを押した。