**零れる涙**
ーーーーーーー

「止めてください!!貴方の娘ですよ‼」


母は、私を守ろうとした。

酔うと手のつけられない父親から、私を守るため、殴られても蹴られても

私を離さなかったそうだ………



そして、、


「もう、我慢できない‼

離婚してください」




母は、父親との離婚を持ち出した。


「待ってくれ‼
悪かった、もうカンナにも手を出さない‼
許してくれ‼」




そんなの、その場しのぎ。

酔うと人格が変わる旦那を、信用出来なかったんだろう………




お母さん…………。


キツイ切れ長の目で、私を睨むお母さんは、、

本当は1番に私を想っていた。


その気持ちに気付かず、私は、、


  酷いことを言った。


「………っ、お母さんっ」


私は、泣いた。


止められない涙。



あの日に戻って謝りたい。

「カンナ……っ」

進くんは私を抱き締めた。

優しくて暖かいーー。


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