**零れる涙**
布団は一枚。
だけど、大きな1枚の布団はーー
二人でも寝れる大きさで、私は、少しドキドキしていた。


「じゃあ、寝ようか」

ドキッ。

進くんの声を合図に、私は、布団に入る。


近い距離に、胸が高鳴るのを感じた。

君の胸板が、近くにある。

そう思うだけで、ドキドキが加速する。

「なんか、スゴいドキドキするっ」

進くんも、同じ気持ちだったことが
嬉しくて、キュン、とした。

「おばあちゃんの恋、私少し羨ましかったな」

あんな、死んでも貴方だけを愛するおばあちゃんの、ひたむきな愛。


私は、おばあちゃんみたいになりたいな。

「カンナ、俺と一生、一緒に居てください」


心配なんてない。

確かな愛が、ここにある。


「すごく嬉しい……」


おばあちゃんも
こんな気持ちだったのかな?


でも、この言葉って確かーー。


「プロポーズの言葉だよな。
今はまだ、無理だけど予約しとくーーっ」


予約って!!!


私、きっと顔赤いよ……っ。


「カンナの隣は俺。
もう迷わない。
たとえ、反対されても俺ーー、カンナを手離せない。

心配すんなっ」


君は、優しくてそしてカッコイイ。

私の心配事分かって、安心させてくれる。

「うん………好き。


大好きっ」



私は素直にそう伝えていた。


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